全社リモートで閑散としたオフィス、払い続ける賃料……!
コロナ禍で突然始まった全社一斉リモートワークから、早2年余り。出社は強制ではないため、ハイブリッドワークに突入する人もいれば、1年以上出社しない人もいたりと、勤務形態は人それぞれです。
当時の全社テレワーク突入3ヶ月後のアンケート記事は下記の通り。このあと2年余りも続くとは(継続中)、想像だにしませんでした。
時を戻そう。
最大40席ある当社のオフィスも、2022年現在では(多くても)同時に5人くらいしか出社してません。つまり、ガラガラ。しかし、そんなオフィスにだって、港区レベルのオフィス賃料が粛々と請求されます。
誰もいないのに。
いつ終わるともしれないコロナ禍、リモートワークも常態化しており、全員が毎日出社するようなことはもはや無さそうです。そんな状況に、経営陣は決断しました。
「オフィス移転します!」
社内お片付けプロジェクトスタート!
移転先ではフリーアドレスにななり、オフィスの面積を大幅に縮小するとのことでした。乱雑に積み上がった資材も、長年蓄積された書籍も、袖机に積載された書類も、ほとんど持っていけなくなりそうです。
上層部から指示された移転時期は半年以上先でしたが、直前になって整理するよりも、少しずつ片付けていった方が効率はよさそうです。そこで、社内各チームからメンバーを選出し「社内お片付けプロジェクトチーム」を組むことにしました。
本記事は、社内お片付けプロジェクトで「実行したこと」「やってよかったこと」「やっておけばよかったこと」のまとめです。オフィスの整理・移転等を、社員で進める際の参考になれば幸いです。
社内お片付けプロジェクトチームがどう動いたか、順を追って見ていきましょう。
社内お片付けプロジェクトの“ミッション”とは……?
プロジェクトをマネジメントする上で重要なのは、メンバー全員の意識を揃えることです。そこでまずは今回のプロジェクトのコンセプトを明確にしました。
コンセプト:全部捨てる
これに尽きます。ほぼ全員が2年以上テレワークできている現状、オフィスでなければできないことは極めて限定的です。そこで上記のコンセプトに沿って、次の3つのミッションを定めました。
- 移転先には何も持っていけない
- 会社の備品はすべて廃棄する
- 全ての私物を持って帰る
以上の前提で進めることにしました。
まずやること、役割分担/スケジュール決め/タスク整理/ゴミの分類
社内お片付けプロジェクトの実行期間は約2ヶ月。
テレワークを前提とした勤務体系のため、ふだんから出社しているメンバーと、そうではないメンバーが混在しています。そこで、プロジェクトメンバーは週1回出社して集合することになりました。(人手が欲しいときには、他のメンバーに声をかけます)
まずは、プロジェクトメンバーの中からリーダーを選出し、各メンバーに役割を分担します。
プロジェクトチーム全体での役割分担
プロジェクトチームのメンバーは全部で5名。今回は、下記のような役割分担を行いました。
- リーダー …… メンバーへの指示出し、管理者への報告・相談をまとめる
- 社内広報 …… 社内へアナウンスを行う
- 書記 …… 記録を残す
- 会計 …… 必要な費用をまとめる
- 進行管理 …… 全体の進行状況を把握する
次は、大まかなタスクに基づいて、全体スケジュールを決めます。
全体のスケジュールを決める
約2ヶ月のスケジュールの中でやることを順々に決めていきます。
- 1週目:デスク外にある私物を持ち帰ってもらうよう、メンバー全員に通知する
- 2週目:共用物のうち、雑誌・パンフレットや空き箱など、明確に捨てていいものを捨てる
- 3週目:デスク外にある私物の持ち帰りを締め切り、この日以降は有無を言わさず捨てる
- 4週目:本を分別し、売るものと捨てるものにまとめる(捨てるものは持ち帰りOK)
- 5週目:書類を分別し、処分方法別にまとめる(契約書類は総務に保管を依頼)
- 6週目:文具・メディア(CD/DVD/HDDほか)を分別する
- 7週目:メディア・過去の納品物などを廃棄する
- 8週目:金属・粗大ごみなどの処分
- 9週目:金属・粗大ごみ・小型電子機器などの処分【延長戦】
※書類の処分は「束にして古紙として捨てる(公開されている情報)」「ダンボールにまとめて溶解処理に出す(社外秘の情報)」「社内のクロスカットシュレッダーで細断する(個人情報)」に分けています。
上記スケジュールの中で、さらにタスクを細分化する必要があるものをまとめます。
細かなタスクを整理する
社内で完結しない廃棄物の処分(下記)について、専門の事業者様に回収依頼をしました。
- 書籍類 →ブックオフ
- 社外秘情報を含む書類・CD・メディア →溶解処理してくれる事業者(廃棄証明書を出してくれる)
- 家電を含む大型電化製品 →産業廃棄物を引き受けてくれる事業者
また、使わなくなっていた検証用PCやディスプレイ、周辺機器、ソフトウェア(パッケージ)について、整理しました。
- 資産管理されている機材 → 情報システム部で回収
- 資産外の機材 → 廃品回収の事業者へ
このように、スケジュールとタスクを明確にして、一つ一つ消化していきました。
プロジェクト終了!やってよかったこと、やっておけばよかったこと
スケジュールから多少の遅れはありつつ、残るは産業廃棄物の処分だけ(事業者との契約待ち)。プロジェクトはほぼ終了です。約2ヶ月のプロジェクトを進行する上で、やってよかったこと・やっておけばよかったことをまとめました。
これをやっててよかった!
プロジェクトを振り返ってみると、やってよかったことがいくつかあります。
- 役割分担(特に外部事業者との窓口)をしっかりしたので、リーダーの負担が分散できて助かった
- この日はこの分類を処分する、と決めて完遂したこと
- 途中で、処分を終えた分類のものがざくざく発掘されたが、本来のスケジュールと並行して処分を進められた
役割分担・スケジュール・タスク決めがしっかりしていれば、多少のイレギュラーがあっても問題なく進行します。
先にやっておけばよかった…!
しかし、よかったことばかりではありません。やっておけばよかったこともあります。
- 入居してるビル&港区のごみの分別ルールを事前に確認しておくこと(発泡スチロールは何ゴミ?とか)
- 残すものと処分するものを仕分けする際、分別も一緒にしておくこと
- 私物処理のアナウンスの際、分別をしておいてほしいと言えばよかった
つまり、分別にはそれなりに時間がかかる、ということです。
気をつけておきたいこと
このほかに、気をつけておきたい点がいくつかあったので、まとめておきます。
- 外部の事業者とは契約書の取り交わしで時間がかかるので、早めに調べておく
- 事業者の引き取り日に出社しているメンバーがいるか、確認しておく
- ダンボールが足りなくなることがあるので、早めに発注しておく(アスクルさんありがとう)
- メンバーから「念のため残しておきたい荷物」の要望があっても、NGにする
こうして、余裕をもってオフィス移転を迎えることができる……そう思っていたのですが……物事は想定通りに進まないものです。
オフィス移転まであと4ヶ月……からの延期!
ある日、経営陣から「オフィス移転延期」が告げられました。詳細は伏せますが、少なくとも来年以降になるようでした。しかし、もともと前倒しで進めていたプロジェクト。早めに片付いたので、それはそれでいいとしましょう。