「なんかGAがガラッと変わるらしいぞ・・・」
そんな話を聞きつけ、早々にGA4を導入し設定を済ませたはいいものの、
GA4でとった数値の解析方法はどうなるんだろう?UAと一緒でも大丈夫??
そんなお悩みを抱えるみなさんのためにGA4移行に合わせたLooker Studioの再構築について、ざっくり解説していきます。
そもそものはなし。
今回の記事で取り上げているデータ分析関連のツールについて、先にちょこっとだけ説明を。
それ知ってる!という方はさらっと読み飛ばしてください。
Looker Studioとは?
Looker StudioとはGoogleが無償で提供しているBIツールです。
Google アナリティクスやBigQueryなど多種多様なデータソースに簡単に接続して、データを統合でき、
グラフや表として出力することで視覚的に現状を理解することができます。
弊社ではLooker Studio導入支援サービスも行っておりますのでお気軽にご相談ください。
メイカク
点在するデータを集めて磨いてメイカクに。
メイカクは、お客さまが蓄積してきた各種データをダッシュボードに一覧で可視化し、事業を効率よくスピーディに運営するための支援を行うサービスです。
Google アナリティクスとは?
Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。
Webサイトへのアクセス状況を把握することができ、サイトの改善やマーケティングに活用できます。
そして、これまではUA(ユニバーサルアナリティクス プロパティ)と呼ばれるものを利用していましたが、
Webサイトとアプリの計測両方に対応したGA4(Googleアナリティクス 4プロパティ)が2020年10月に正式リリースされ、2023年7月にはGA4に完全移行することになりました。
UAとGA4で何が変わる?
結論から言うと、なにもかも変わります。
データ収集に対する基本的な考え方が変わっているので、そこから派生していろんなことが変わっています。なんてこった。
その中でも、今回ご紹介するLooker Studioを使った分析に大きく影響を与えるのは大きく分けて3つです。
- データ収集の考え方
- 指標やディメンションの定義
- カスタムレポートの作り方
ひとつずつ説明していきます。
①データ収集の考え方
さっくり言うと、セッション軸からユーザー軸になります。
これ、どういうことかというと、ページごとの計測からユーザーごとの計測に移行したということです。
これまでのUAでは「このページは、このくらいの時間みられていて、こういうアクションがよく起きていて、同一セッション内で○○ページ閲覧されている」というような観点でデータを収集しています。
しかしGA4では「このユーザーは、このページでこういうアクションをしていて、こっちのページではこういうアクションをしている。そして複数回訪れている。」みたいな観点でデータを収集しています。
つまり、GA4に移行したことでセッションを超えた顧客の行動分析がしやすくなったと言えます。
②指標やディメンションの定義
①で述べたようにデータ収集の考え方がガラッと変わったので、もちろん収集されたデータの分類や定義も変わってきます。
UAでは基本はセッション内におけるページやページ間遷移を計測していて、「ボタンをクリックする」などのアクションのみイベントとして計測していました。
ですが、GA4ではすべてのユーザー行動をイベントとして計測しています。
そのためUAと同じ名称の指標やディメンションであっても中身が変わっていることがあるので要注意です。
GA4の各指標やディメンションの定義はこちらからチェック
③カスタムレポートの作り方
これはもうごっそり変わっています。びっくりしちゃいます。
UAでは「カスタムレポート」という名称でしたが、GA4では「データ探索ツール」という名称になります。
このツールはLooker Studioで正しくデータを表示できているか確認する際に必ず必要なのですが、これを使ったレポートの作り方から解説すると長くなるので一旦割愛します。。
アナリティクス ヘルプにデータ探索ツールについてまとめたページがあるのでよければこちらをご覧ください。
データ探索ツールの使い方はこちらからチェック
それではいよいよ本題へ。
Looker Studioの再構築作業
GA4に合わせてLooker Studioを再構築する上で必要な作業は、
- UAのレポートの確認
- 項目出し
- グラフの選定&フィルタの調整
- 確認
今回は弊社が運営するメディア「CinemaStyle」のデータを使ってご説明していきます。
①まずはUAのレポートを確認
まずは今使っているUAのレポートで何をまとめているかを確認します。
今回は、記事のために実際のデータを使ってダミーのレポートを制作しました。
このレポートを作るうえで、CinemaStyleの年度目標は 1,000,000PV&500,000UU獲得 としました。
(※実際の目標ではありません。)
この目標を達成するために、
- 目標に対する進捗
- どの記事がいつ、どのくらい見られているのか
- どんな属性のユーザーが見てくれているのか
- どんなメディアから記事に流入してきているのか
ということを把握する必要があると考えてレポートを作成しています。
こちらのレポートでまとめている内容はこんな感じです。
内容 | ディメンション | 指標 | グラフの種類 |
---|---|---|---|
目標に対する進捗 | ‐ | 期間固定のページビュー数、ユーザー 目標への到達度(新規フィールドを作成) | スコアカード |
ページごとのアクセス数 | ページタイトル | ユーザー、新規ユーザー、ページビュー数 | ヒートマップ付きデータ表 |
日別推移 | 日付 | ユーザー、新規ユーザー、ページビュー数 | 複合グラフ |
属性データ | 年齢、性別 デバイスカテゴリ | ユーザー | ・積み上げ横棒グラフ ・円グラフ |
流入元 | 参照元/メディア | ユーザー、新規ユーザー | ヒートマップ付きデータ表 |
これを、GA4を使った場合の表現方法に変えていきます。
②項目ごとの移行先確認
今回の目標に対する分析に必要な項目としてはUAもGA4も大きく変わりません。
ですが、それを表現するためのディメンションや指標が変わってくるので、
先ほど紹介した定義を踏まえつつ、どの内容にどのディメンションや指標をあてるかを決めていきます。
内容 | ディメンション | 指標 | グラフの種類 |
---|---|---|---|
目標に対する進捗 | ‐ | 期間固定の視聴回数、総ユーザー数 目標への到達度(新規フィールドを作成) | スコアカード |
ページごとのアクセス数 | ページタイトル | 総ユーザー数、新規ユーザー数、視聴回数 | ヒートマップ付きデータ表 |
日別推移 | 日付 | 総ユーザー数、新規ユーザー数、視聴回総ユーザー数 | 複合グラフ |
属性データ | 年齢、性別 デバイスカテゴリ | 総ユーザー数 | ・積み上げ横棒グラフ ・円グラフ |
流入元 | ユーザーの参照元 | 総ユーザー数、新規ユーザー数 | ヒートマップ付きデータ表 |
GA4の各指標やディメンションの定義はこちらからチェック
③レポートの作成
載せたい項目が決まったらいよいよレポートを作成していきます。
ここで少し注意が必要なのですが、GA4ではセグメントを利用できないため個別でフィルタを設定する必要があります。
ですのでフィルタの条件によってはかけ方を工夫する必要が出てきます。
④確認
最後にGA4側でもレポートを作成し、数値に異常がないかを確認します。
使用するのは最初に紹介したデータ探索ツール。
詳細な作り方は公式のまとめページを参考にしてください。
データ探索ツールの使い方はこちらからチェック
思わぬ落とし穴も・・・
今回はグラフにフィルタをかけていないので特に問題なく指標を入れ替えるだけで作成できました。
しかし、中には従来通りには設定できない指標もあります。
例えば 新規ユーザー数。
こいつがなかなかの曲者です。
普通に表やグラフに指標として入れる分には問題ないのですが、その表やグラフにフィルタをかけた途端エラーが発生します。(2023年1月時点)
対応策としては、他の指標と一緒にせず独立したグラフを作成します。
そして指標は「総ユーザー数」に設定し、もともとかけたかったフィルタに加えて下記のフィルタを設定します。
こうすることで、正常に数値が表示されるようになります。
このように、これまではできていたのにエラーになってしまう…みたいな現象がよく起こるので、
指標やディメンションの定義を踏まえたうえで適切な設定ができるように考える必要があります。
さいごに
今回はGA4移行に合わせたLooker Studioの再構築についてザックリ解説しました。
いちばん大切なのは何が変わるのかをしっかり理解すること。
具体的に何がどう変わっているのかを理解するのがとっても大変なのですが、それさえクリアしてしまえばレポートを再構築すること自体はそんなに難しくありません。
そうはいってもよくわからん!誰か助けてくれ!!
そんな方のために、株式会社コンテンツではLooker Studioの活用をはじめとしたデータ運用をサポートするサービス「メイカク」を提供しております。
メイカクでは、GA4をはじめ自社で蓄積してきた様々な形式のデータをダッシュボードで一覧で可視化できます。
ご相談は無料ですので、メイカクのお問合せページよりお気軽にご連絡ください。
メイカク
点在するデータを集めて磨いてメイカクに。
メイカクは、お客さまが蓄積してきた各種データをダッシュボードに一覧で可視化し、事業を効率よくスピーディに運営するための支援を行うサービスです。